2013年12月13日金曜日

さらに、楽譜について 



先般もいったように、アマチュアのプレイヤーのなかで一番有名なミュージシャンというと伊藤伸吾だろうな。
あのジャズ・スタンダード・ハンドブックの著者です。青本ともいわれているね。

最近はジャズ・バイブルを使う人が多いようだけど少し前まではジャズの楽譜集というとこのジャズ・スタンダード・ハンド・ブック(以下JSHB)という人が主流だったとおもう。
しかし普及しているわりには「コードが間違っている」とかいわれて評価が低かったなあ。

「コードが間違っている」というからには正しいコード進行があるのだろうか。
レコードをきいているとプレイヤーによってコードがちがうのはご存じのとおり。SJHBとリアルブックでコードがちがうとしてもリアルブックが正しいわけではないし。先祖代々受け継いでいるコードが正しいわけでもないとおもう。

「コードが間違っている」というのは、実際は「コードが(ほかの本と)ちがっている」というだけなんだよね。
「間違っている」という人はたいていベテラン風を吹かしている。オレは正しいのを知ってるぜ、みたいに。

ところで、リアルブックのラウンドミッドナイトよりはSJHBのほうが絶対にかっこいい。ビル・エバンスのバージョンに近いよ。かといってリアルブックが間違っているわけではないよね。おそらくモンクのオリジナルに近いのかも。わからないけど。

ジャズ・バイブルは納さん監修だから正しいと思ってる人もいるけど、あれだっておかしいところはあるよ。
たとえばインヴィテーションの最初のコード、Cm7じゃないでしょ。

まあSJHBは前にもいったようにメロディーはかなりテキトーなんだけどね。あのまま演奏したらシンコペーションがまったくない盆踊りみたいになっちゃう。「ジャズマンなんだから、テキトーに崩して演奏してね」というのが前提の楽譜だから、そういう意味ではまさにジャズ向きかも。

そういえば以前、SJHBを批判しているひとが「たとえばオーバー・ザーレインボウなんかは頭のコードはAm7b5D7というかっこいい進行にしたほうがいいんだけどそういうのは書いてない。だからあの本はみないほうがいい」といっていた。

あれ?SJHBのオーバー・ザ・レインボウの頭のコードはAm7b5D7なんだけど。もっとも、毎回この進行だと逆にかっこよさの安売りでうんざりするから、演奏するほうは適度に普通にトニックから始めるのも必要だと思います。


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