最近あった実話。
バイオリニストの知り合いから急な演奏を頼まれた。彼は当然クラシック側の人間だが、パーティーのBGMでジャズをやらなきゃならないという。
クラシックのひとでも書きソロでジャズをやっているふりをしているひとはけっこういる。彼もその類であるので、曲とキーを事前にメールで伝えてきた。「枯葉:Fm、酒バラ:G」など普段みることのない文字が並んでいる中で「ワンノートサンバ:B」という文字があった。ジャズなら普通はB♭だ(と思うが、ジョビンの楽譜ではGだったかもしれない)。フラットが二つからシャープが5つというのはきつい。
おいらはシャープ系のキーは不慣れでありけっこう弱い。しかも「Bメロはユニゾンでお願いします」とあった。まあ、あのBメロは演奏してみると思ったほど難しくないんだけど、しかし単にフレット1つずらすだけでは済まない。ましてや、カポwつけて済ますことができるものでもない。。本番は2日後だ。キーがBだとアドリブだけでも大変なのだが、まさに寸暇を惜しんで猛練習して仕上げた。
本番当日、早めに会場に入ってリハーサルをした。編成はバイオリン、ギター、ベースというトリオ。ベースのひとに「いやー、Bのワンノートサンバはきついですわ」などと話しながら音を出したらヘンな響きが。バイオリン氏の譜面をみたらキーはB♭だった。ベースと顔を見合わせたがやっと気づいた。あちらさん、ドイツ語でやっているからこっちのBはH、B♭はBだったのだ。谷口英治さんの「ほんとうにあった怖い話」で似たようなネタがあるけど、まさか自分がこれに遭遇するとは思わなかった。
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