2016年10月5日水曜日
A LOVE SUPREME
某有名ミュージシャンがいうように「毎回聴いても新鮮な感動」とは言わないけど、これは本当に名盤だと思う。1コード(モードか)による楽曲だが、実はかなり緻密に作りこまれたアルバムだなあと感じる。
音楽的に傑作だとか思想性がどうのとかはどうでもいいし、よくわからない。とにかくかっこいいのだ。かっこいい音楽、かっこいいジャズとはこういうものかと思う。マッコイのピアノもエルビンのドラムも、完全にコルトレーンの音楽を作り上げている。マッコイなんて、この音楽なのにリリカルに響く瞬間もあり、いやあ、若手がすごいとか言っても、こういうジャイアントにはかなわないなあと思う。
マンガ「ブルージャイアント」における宮本大のサックスは、コルトレーンをイメージするとしっくりくる。決してマイケルなどさらに洗練されているタイプではない。ましてやコルトレーン以前のプレイヤーでは決してない。
ただし、この音楽は一般的なジャズのイメージとはかけ離れているし、マイルスのようなかっこよさとも違うし、おしゃれじゃないし、少し不気味だし、一見1コードで単純でずっと同じに聴こえるかもしれない。ジャズ初心者にこのアルバムを勧める人はアホである。世の中にはある程度成熟しないと理解できない音楽というものがある。傑作は誰が聴いてもすぐ理解できるというのは間違いだ。たまにそういう人がいるが、そういう人はまれに見る感性を持っているというだけであり、特殊なのだ。
おいらは長らく「ギャリソンのベースソロだけはいらねえよなあw」なんて思っていたが、何度も聴いているとあれも必然と思えてくる。
いわゆる千円盤にはこれとセルフレスネスのマイフェイバリットシングスが収録されているが、ロイ・ヘインズのドラムの軽さと言ったら。このアルバムがエルビンでホントに良かった。
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