MAHAVISHNU
ORCHESTRA “INNER WORLDS”(内深界)
第1期マハヴィシュヌ・オーケストラは唯一無二のオリジナルあふれるものすごいバンドで、そのデビューは衝撃であった。のちに発掘音源(ロスト・トライデント)が発売されたが、普通はパワー不足と評される後出し発掘アルバムのジンクスを打ち破る完璧な演奏で、文字通り「なぜお蔵入りになったのかわからない」という出来だった。たった5人でオーケストラを名乗るということ嘲笑をよぶこともあったようだが、彼らのサウンドを聴けば何も言えなくなるだろう。最適最高のメンバーで、あのヤン・ハマーも含めて皆が10年以上一緒にやってきたかのようなサウンドだった。ジェリー・グッドマンは当然ぴったりはまっていたしね。
ところが70年代中盤、第2期になってメンバーチェンジすると少し様子がかわってくる。ジャズ全体がそうなんだけどどんどんポップ傾向が増していったよね。硬派なものが消えていった。そして第3期は見る影もない、曲名だけは初期路線に追随しているけど中身は緊張感のない雑なつくりになっていった。それがこのアルバムなんだよね。堕ちたという表現がぴったりの、最後のマハヴィシュヌ・オーケストラ名義のアルバム。愛するマハヴィシュヌがこうなったのが悲しい。
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