2016年8月9日火曜日
Freetime
このアルバムを買うときは、当初躊躇した。やはり、ジャズ関係で「フリー」という言葉には敏感になる。思い切って買ってみたら、これがあたり。前作「Carnaval」がちょっと不満だっただけに。
冒頭のタイトルチューンは、クレジットにトム・シューマンの名前があり、それだけでがっくりするのだが、これは良い。スパイロファンにはおなじみだが、トムの曲はスパイロ色がないというかちょっとがっくりくる曲だらけなんだよね。
3曲目「Summer strut」はジェレミー・ウォールの曲。相変わらず、ジェレミーはポップスになり切れていない。導入がいいけどサビをどうしていいかわからずなぜかマイナーになってしまうというのはジェレミーの特徴だ。これもスパイロファンにはおなじみだろう。これがまたいかにも彼らしくていいんだけど。
4曲目、当時の「1曲バラード」路線のシリーズとしては、おいらがかなり好きな曲。そうそう、アルバムタイトルが「フリー」で、「トレーン」なんて曲があったから躊躇したのだった。それがねえ、フュージョンとして、ポップとしてこの曲はすばらしいんですよ。全然トレーン風じゃないよ。あくまでトレーンに捧げる曲というだけだから。
このアルバムの白眉「Pacific sunrise」は、またトムの曲。これがやっぱり期待を裏切らずトムらしく「スパイロらしくない」のが、またいいw イントロはかなりムードがあって、「おいおい、トム、どうした?」と思うんだけど、そのあとの変拍子部分になると当時のスパイロ路線をまるっきり無視した曲に変貌しますw
このあとの曲も良く、このアルバム、なんだかんだいって楽曲面ではスパイロ作品の中でもけっこうレベル高い。曲にはずれがないのだ。そのかわり超キャッチ―な曲もなく、若干地味な印象はぬぐえない。ちょっともったいないね。
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