2015年3月5日木曜日

これって名盤? EXPLORATIONS



BILL EVANS TRIO “EXPLORATIONS”

これって名盤?はい、名盤です。アマゾンのレビューも5つ星の嵐です。まったくもってすばらしいアルバムです。しかし、しかしあえて苦言を呈したい。

「ジャズに名曲なし。あるのは名演のみ」というまちがった格言みたいなものがあるよね。こういうの日本人すきだからねえ(あと、御三家とか3大○○ってのが好きだよね)。ジャズのスタンダードには名曲がたくさんあるのはいまさら言うまでもないけど駄曲も多いと思うんだよね。人間は完璧ではない、ショパンもベートーヴェンも駄曲をたくさん書いている。まあ単に好みに合わないだけかもしれないんだけどさ。

おいらがこのアルバムを買ったのは”WALTZ FOR DEBBY””SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD”につづいてビル・エヴァンスとしては3枚目。まだジャズ聴きはじめで右も左もわからないころ。先に買った2枚にノックアウトされて同じメンバーのものをもう1枚ということで”PORTRAIT IN JAZZ”とこれとどっちにするかレコード屋で2時間以上悩んで決めたのだった。まだ青二才のころ、ラインナップを見ても知らない曲ばかりだったけど”BEAUTIFUL LOVE”とか”SWEET AND LOVELY”とか美しそうな題名がエヴァンスのピアノにマッチしているような気がした(はは、この時点でオチが読めたな)。家に帰ってさっそく聴いたところ・・・

まず1曲目、おお、すばらしい。ラファロはようわからんがモチアンのドラムの繊細さがよい。つぎは”BEAUTIFUL LOVE”か、どんな曲だろう・・・えっ?なにこれ?思わず曲名を確認しましたよ。はっきりいっておいらにとってはよいメロディとは聴こえなかった。しかも1曲目とちがいテーマメロディがシングルトーン中心なので手抜きっぽく感じたんだよね。同じようなのが”SWEET AND LOVELY”。どこがSWEETなんだ?どこがLOVELYなんだ?その前の曲”I WISH I KNEW”もできそこないのバラードって感じ(後年聴いたコルトレーンやスタン・ゲッツのバージョンのなんとすばらしいことか!)。まあ盤がわるいのか音がこもってベースがまったく聴こえないというのも原因なんだろうけど、名演のわりには心の底から好きになれない選曲だった。しかし、アマゾンのレビューで”BEAUTIFUL LOVE”を「メロディが抜群に美しい」と書いているひとがいた。感じ方は人それぞれですねえ。ちなみにベテランでこの曲をやたらと演奏するひとが周りにいるけど、コード進行も単調で演奏していても特におもしろくない。

おいらの曲名に対する辛辣さはここから始まったのだと思う。




↓よろしければ投票してください!
 
音楽(ジャズ) ブログランキングへ