ゲイリー・マクファーランドは1971年に若くして38歳で亡くなった。ジャズ史に大きな足跡を残したわけではないが、おいらは大好きだ。
キャリアの初期はプレイヤーであったがすぐにアレンジを手掛けるようになり、彼のアルバムはだいたいその2通りに区別することができる。おいらはアレンジャーとしてのマクファーランドのほうが好きだ。
彼のアレンジというと知名度ではこれなんでしょうな↓
STAN
GETZ “BIG BAND BOSSA NOVA”
ゲッツがジャズサンバでブレイクしてから、クリード・テイラーが2匹目のどじょうを狙って作った作品だ。ジャズサンバのヒットにあやかって、というのがビッグバンドものというのは、今の感覚ではかなりの違和感というか「テイラー、気は確かか」と思うんだけど。
内容は数曲のボサノヴァ・スタンダードと半分以上がマクファーランドのオリジナル。スタンダードのほうは、もともと軽いボサノヴァをビッグバンドサウンドに仕立てているため、なんだかしっくりこない。むしろマクファーランドのオリジナルが光っている。ちなみに、ジャズサンバ同様、リズムはボサノヴァではない。今でこそ好きなアルバムだが、ボサノヴァにすっかりまいってしまった頃に買ったため「なんだこれは!ボサノヴァじゃない」といって一度処分してしまった。そのあと買い直して聴いたら、いいんだよね、これが。
この後ソフト・ロック路線に行ってヒットを飛ばしSKYEレーベルを作るのだが、その第1弾がこれ↓
GARY
McFARLAND “AMERICA THE BEAUTIFUL”
いや~これがマクファーランドの最高傑作だとおいらは思います。壮大なオーケストラであり、彼の作品のなかでは異色のアルバム。SKYEレーベルでのアルバムは60年代末~70年代初頭であるため、全体的にあの時代特有の閉塞感があり、それが独特のよい雰囲気をつくっている。
GARY
McFARLAND “TODAY”
このあたりになると好き嫌いがはっきり分かれるでしょうがよくできたアルバムであることは確か。
画家で詩人のピーター・スミスがジャケットデザインをしていて、ハードも含めてひとつの作品というコンセプトが伝わってくる。
あ、超有名盤の「ソフト・サンバ」の話をしてなかったな。いや、あれは、それこそつまらなくて処分しちゃったんだよね。ビッグバンド・ボサノヴァと違って、買い直してもいないわw
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