2014年10月19日日曜日

書評:ボサノヴァ本いくつか





今回はボサ・ノヴァ本について。


まずはこれ、ジョビンの妹による、ジョビンの伝記だ。訳者は国安真奈氏なのでまったく申し分ない。

しかし以前もかいたが、この手の伝記本の最初のほうはたいてい親の代から話が始まりはっきりいっておもしろくない。この本の場合さらにその前の代からはじまり、ジョビンの親の代の話も長く、最初の部分はかなり苦痛だw

そしてスコット・ラフォロの伝記でもそうだったように、身内が書いているせいで見方が偏っていていいわけがましい文章が多い。それでもジョビンのファンとしてはおもしろいけど。もしボサノヴァとしてのジョビンを期待するのなら「ボサ・ノヴァの歴史」だけ読めば十分。この本はボサノヴァ以外のジョビンを知るための本だとおもう。↓







こちらは文字通りボサノヴァの歴史について書かれた本。いまのジャズはボサノヴァとも深いつながりがあるのでジャズファンは読んだほうがいいとおもうよ。内容、構成とも申し分なく5つ星の本だとおもう。
ジョアン・ジルベルトが中心に書かれている点を批判するひともいるようだけど、決してジョアン崇拝の本ではない。ボサノヴァはポピュラーな音楽ではあるものの情報量はいまだに少なく、この本は必読といえるかもしれない。ていうか、必読。







こちらはボサノヴァの歴史の外伝。表紙がジョアンとジョビンのなんともかっこいい写真だ。これだけで買う価値ありだ。
ところが内容はというと、残念ながらけっこうボサノヴァとその少し前にくわしい人じゃないと楽しめないかもしれない。副題の「パジャマを着た神様」というのはジョアンのこと。変人で知られるジョアンはホテル住まいでずっとパジャマを着ているから。

しかしこの言い方、ジョアン崇拝を助長するようでいやなんだよね。「神様」ってあなた、じゃあジョビンは何になるの?ヴィニシウスは?といいたいね。著者のルイ・カストロ氏はこの手のエピソードをたくさん温めているそうなのでさらなる続編を期待する。




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