2014年10月31日金曜日

書籍「敗け犬の下で」



ミンガス?自伝・敗け犬の下で (晶文社クラシックス)

この本のことをどこかで「奇書」と紹介していたのをみたことがあるけど、まさにその通り。読んでみれば誰もがそう思うだろう。

普通の本は時間がたつともう一度読みたくなるけど、これはそんなことはないだろうと思う。いやいや、内容がダメだといっているわけではないよ。

子供のころの回想部分を読んでジョニ・ミッチェルの「GOD MUST BE A BOGGIE MAN」の歌詞「彼は3人いる」を思い出してしまった。意味はちがうのだろうけど。

ファッツ・ナヴァロのファンであるおいらにとっては感慨深い部分もありました。
まあなんというか、ミンガスとその音楽を少し踏み込んで知ることができたような気分になったかな。ジャズ・ファンとして一度は読んでみたほうがよいかと思うけど、やっぱりすすめるほどではないかな・・・



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2014年10月30日木曜日

我々ジャズファンが注意すべきこと または 陥りやすい過ち

ナントカ質問箱とか、そういうサイトで「お薦めのアルバムありますか?」とかいうのをたまに見かける。
そういう質問に対して、

1.入手不可能なものを自慢げに薦める
2.質問者が石油成金か何かと勘違いしてか、大量にお薦め盤をあげる(買えないっつーの)
3.他の回答者の回答をけなす

というひとたちがいる。「3」がポイント。なぜ他人の意見をけなすかというと「こいつは何もわかっていねえ、オレの意見が正しい」と思うからなのだ。

なんていうのかなー、ジャズファンは、一般的なポップスとかロックを聴いていないから、「オレは普通のやつより音楽のことをわかってるんだぜ」という勘違いをする傾向にあると思う。ロックとかを聴いているときもあるけど、その場合でも傾向は変わらない。

ジャズファンに限らず、マイナーな音楽を聴いているひとは「オレは普通のやつより音楽のことをわかってるんだぜ」という勘違いをしたりする。

クラシックファンは、クラシック以外音楽と認めてないことが多く「オレはポピュラー音楽聴いてるやつより音楽のことをわかってるんだぜ」と勘違いする。

ロックファンは「オレはテレビにでるポップスを聴いてるわけじゃないから、普通のやつより音楽をわかっている」 と勘違いする。

ポップスファンは、自分がテレビやラジオで接する音楽がこの世の音楽の全てであり、アーティストというのはつまりテレビに出る歌手のことであると思っているから「自分は音楽のことをすべて知っている」と勘違いするw ついでにいうとマイナーな音楽の存在はなんとなく知っていても団塊のオヤジが聴く、すでに絶滅した遺物だと思っているから眼中にない。

これじゃいかんと思いますね。

ジャズファンに話を戻すと、ジャズボーカルはわるくはないけど、クラシックやってる知人にいわせれば「ビッグネームの数人以外は、どいつもこいつも音程が悪すぎる。あれでプロ?」だそうだ。
おいらはジャズファンだけど、こういう話をきくと「ジャズを聴いてすべてを知った気になってはいけない」とつくづく思う。

ちなみに、上述の知人、ポップスの歌手たちについては「音程は完璧すぎる。録音したあとにコンピュータで修正してるのがすぐわかるね~」とのこと。 






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2014年10月29日水曜日

渡辺貞夫:ジャズスタディ




ジャズの教科書でありこの本を読めばジャズができるような印象の書籍名である。
しかし、この本にジャズのアドリブ方法みたいなことは書いていない。書かれてあるのは初歩の楽典と、コード表記法、あとはアレンジの基礎みたいな内容だ。いえいえ、文句をいってるわけではないよ。よい本ですよ。

でもさ、30年くらい前はジャズの本といってもこの本くらいしかなかった。そんな中で期待して買ったはいいが、「え?」という印象だったことは否定できない。いまはものすごくジャズの本が多いよね。いい時代になったなあと思う。


まあ、あえてわるい言い方をするなら、「タイトルにだまされた」というところかな。ほかにも「アドリブ自由自在」とか、ジャズに役立ちそうで役に立たない本はけっこう買いました。ははは。




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2014年10月28日火曜日

「コピー」ねえ・・・



ラジオを聴いていたらこんなお便りを紹介していた。

「昔バンドやっていた仲間でひさしぶりに合って『またみんなでコピるか?』という話になってもりあがりました」

意味はわかるんだけど、ジャズ側のおいらとしては理解できない。彼らが、好きなバンドの録音の通りに演奏して楽しいというのはわかる。でも「コピる」という言い方がすでにミュージシャンではないよな。

全部がそうではないのだろうけど、たしかにロック、ポップス系のバンドは楽譜を使わない(つかえない)ことをよく聞く。知り合いのロック系のひとからバンドの練習についてきいた話だけど、まず全員に音源を配るのだそうだ。「これ今度やるから」と。みんな家で必死に「耳コピ」して覚えてくるのだそうだ。
ちなみに耳コピしたものを楽譜に残したりはしない。楽譜を書けないから。ある意味すごい。執念だ。音やリズムだけでなく、構成もまる暗記。リピート記号などという概念はない。 
こういう人たちって、練習で途中からやり直すときどうするのかな。やっぱり、「ラララ~のところから」って言うんだろうなw どうしようもないジャズボーカルがこんな感じだよね。


ちなみに、先日テレビでも似たようなことを言っていたけど、楽譜を読めない人ほど、演奏のときにあえて楽譜を面前に置きたがることもある(必ずではない)。「読めます」というアピールなんだけど、たまにボーカルがそれをするんだよ、どう見ても「歌詞を見てます」というようにしか見えない。カラオケじゃないんだからさ・・・

YOUTUBEで自分の演奏を披露しているひとが「耳コピです」とかいたら、コメントで「耳コピなのに楽譜みてるじゃねえか」とつっこんできたひとがいた。耳で音をとって楽譜にしたにきまってるじゃないか。案の定、他の人から同じように反論されていた。楽譜という概念がまったくないのだ。

ロックの友人から以前バンド手伝ってくれと言われたとき「楽譜あるんですよね?」ときいたら「いや、ない。耳コピして」といわれた。無理。好きでもない音楽を手伝うためだけにそこまでの労力はかけられない。

なんだか話が、「楽譜を見るか見ないか」ということと「オリジナル録音どおりに演奏するか自分なりに演奏するか」ということが混ざってしまった。

しかし「花子とアン」の世界なら「コピっとコピろうぜ」とかいうのかな?



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