2016年5月2日月曜日

ヴィンテージ

サックスにカビが生えたOくんの話。

Oくんは、けっこう年代物のアメセル(アメリカンセルマー)を使用している。いわゆるヴィンテージというやつだ。おいらはギターでもそういうものにはまったく興味ないのだが、Oくん自身、ヴィンテージサックスには興味がないそうだ。試奏して気にいったのがたまたまそれだったというだけらしい。

ヴィンテージなのでけっこうラッカーが剥げている。たまにお客さんに「すごく使いこんでいますね」と言われるOくんだが、ヴィンテージとかいう気がないので、

「中古なので」

としか言わない。別に硬派というわけではない。Oくんいわく、

「自分は腕前はまだまだなので、ヘタなくせに楽器ばかり名器だとか言われそうで恥ずかしいんですよ」とのこと。


で、おいらは当然わからないのだが、アメセルには特徴があるらしいんですよ。オクターブキーのあたりとか彫刻の図柄とかが違うらしい。そういうのに詳しい人がいて、Oくんは「アメセルですね」とか言われるんだけど、いつも「違うと思う」と答えていた。なぜか。「Made in France」って書いてあるから。しかし、どうやらアメセルもこれでいいらしい。「Made in USA」ではないそうだ。サックスマニアにとっては常識らしい。




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