2016年5月8日日曜日

ロン・カーター29



昨日のブログで話した、買うのを断念したロンのバッハ集。いえ、実は考え直して買いました。1円のやつはもう売れていたので他の中古。く~っ高い!

ライナーノーツが悠雅彦なので、案の定おおげさな言い回しに終始したべた褒めで(まさか私がロンだったとは・・・とか。ウソ)、それがまた逆にウソくさい印象をうける。「バッハをやるにはより難しいピッツィカートで」などといっているが今日日ピッチカートよりアルコのほうが難しいのは誰でも知っている。

録音は85年でありバッハ生誕300年ということだそうだが、バッハに限らず80年代はウィントン、キースなど多くのジャズメンがクラシック作品を作った。当時のおいらはそれを「クラシックに魂を売った」と苦々しく思った記憶がある。2人にしてみれば「もともとクラシックもやっていた」ということなのだろうけど。

さて、さっそく聴いてみると、3秒で聴く価値のないことがわかる。一応クラシック(のつもり)なのにピックアップを通した例の音色という時点で唖然とする。いったい誰がロンにクラシック曲を演奏させるという企画をおもいついたのだろう?本人か?頭がおかしいとしかおもえない。
制作に半年かかったらしいが、誰もおかしいとおもわなかったのだろうか。集団催眠にでもかかっていたのか。チェロによる曲をジャズベースのピッチカートでやるのだからそこに意味をもたせてダイナミクスなどのジャズ要素をいれるべきかとおもうのに、淡々とゴムのような音色で楽譜通り(それ以下?)のことをしている。そこにロンのドヤ顔が思い浮かんでしまう。退屈の極みでありフリーのほうが百倍マシだ(フリーファンの人、すみません)。

いうまでもないが音程は当然悪い。どこかでみたクラシックファンのレビューで、「ジャズのジャイアントによる名演」みたいに高評価されていたけど、おそらくそれは高尚なクラシック側からみて、貧しく無教養なジャズ・ミュージシャンが精いっぱい頑張って神様バッハの足元にすりよったのを上から目線で「ういやつじゃ」と言っている、そんな気持ちからでた同情の評価だろう。

某ミュージシャンによる運指教則本で移調したバッハの無伴奏チェロ曲をのせていたのをみて「つまらんハッタリだな」とおもったことがあるが、それよりもなおひどい。せめて「グイィィーン」をやってくれればまだ笑えたのに、ずれまくったセンスで真剣なのだから始末が悪い。まったくもって時間のムダだった。さてと、口直しにロンの「COTTONクラブでカクテルを」でも聴くかw う~ん、すげえ邦題だ。



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