映画ラウンド・ミッドナイトは、音楽が別録音ではないのが特徴のひとつだ。撮影当時ヨーロッパで不安定な生活をしていたチェット・ベイカーに、ハービーは
「もし来られたら来てくれないか」と言っていた。
でもクスリの影響もあるからダメだろうなとおもっていた。
ある日撮影がおわりみんな帰ろうとしたら、ふらっとチェットがやってきた。このチャンスを逃したら次はないとおもっていたハービーは、みんなに頼んで撮影続行してもらうことにした。しかしここで彼は気付いた。「チェットは譜面を読めない。やろうとしている曲はけっこう複雑。彼に恥をかかせることになる」。悩んでいるハービーに気づいたチェットが
「途中からはいるからやってみてくれ」といった。1コーラス後、チェットは難なくその曲を演奏した。
うーん、すごいね。
ちなみにジャンゴも天才肌でチェットと同じタイプ。コードどころか文字がわからないのだから。譜面を読めるかとおもう演奏ばかりだが、ときどき怪しいのもある。49年録音のNIGHT
AND DAYはけっこう外している。
もう1つ。
ハービーは常に新しいサウンドを探していた。ショーターの甥っ子に「ジャズ以外のいいとおもう音楽をなんでもいいから集めてテープにいれてくれ」と頼んでいた。そのなかでバッファロー・ガールズというグループがスクラッチをやってるのを聴いて「これはおもしろい」とおもっていた。
その一方で、マテリアルというグループがかわった音楽をやっているとひとから聞いていたのでLAの自宅に彼らを呼ぶことにした。やってきたビル・ラズウェルが自分たちの音楽をテープでもってきたのだがそこにもスクラッチがはいっていて「これだよ!おれもこれを考えていた」といってロック・イットが生まれた。
ということなんだけど・・・あれ?おいらがジャズ講談で聴いた話と違うぞw
ここでは、ストリートを歩いていたハービーがラズウェルが何かをしているのを見つけて
「おや?おいおい、おまえら、そいつはおいらの、あ、レコードじゃあないかあ」
「やあハービー、これが僕たちの楽器なのさ!」という会話が、純和風に交わされていたのだが。
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