2015年8月15日土曜日

HAND TO HAND



 
GEORGE ADAMS-DANNIE RICHMOND “HAND TO HAND”



アダムスとダニー・リッチモンドの双頭バンドによる80年のアルバム。二人に共通して思うことだが、彼らを嫌いなジャズ・ファンはいるのだろうか? (あ、ファランクスは別ね。あれはアダムスのリーダーではない・・・ことにしたい)

アダムスは繊細さと豪放さを備えたプレイヤーで音色も個性的でフレーズもすごく歌っている。強弱の使い分けが上手でヴィブラートもいやらしくない。アーティキュレーションも絶妙。はっきりいって70年代に登場したサックス奏者のなかでは最高峰だろう。ギル・エヴァンスの「PRIESTES」ではアルバムのほとんどをサンボーンが吹きまくっていてアダムスは出番3分ソロ1分だが、誰が聴いてもサンボーンより数段優れていると感じるだろう。これは好みとかの領域を超えている。

リッチモンドはミンガスのバンドの裏方的イメージが先行してしまい過小評価組の筆頭であるが、少し注意して聴けばすぐに洗練されたドラミングであることに気付かされる。古くから活動しているのにまったく古臭くない。ミンガスのラストの2枚のアルバムでもジョー・チェンバースとスティーブ・ガッドにまったく負けていないよね。ドラマーについては好みがかなり分かれるとおもうがリッチモンドを嫌がる人はきいたことがない。


さて、このアルバムの1曲目はプレイヤー全員がソロをとるがそのすべてがライブだったら熱狂的拍手が沸き起こるレベル。とくにドラム。とにかく聴いてほしい。ちなみにジミー・ネッパーも大変素晴らしいソロを聴かせる。決して単なるミンガスつながりで呼ばれたわけではないと感じる。ピアノはヒュー・ローソン。アダムスというとドン・プーレンが相棒というイメージだが、ローソンはまさにジャズというスタイルで素直に耳に入ってくる。おいらはすごく好きだ。リーダーアルバムは「・・・」という感想だけど。

これとまったく同じメンバーで3年後に録音されたのがこのアルバム↓


 
GEORGE ADAMS-DANNIE RICMOND “GENTLEMEN’S AGREEMENT”

ジャケットまで似せなくていいのにとおもうがこちらも大変素晴らしい内容。ベースのマイク・リッチモンドというひとは白人だからダニーとは親戚でもなんでもないようだが、ソロでもラインでもずっと歌っていて正直うるさい。前作はそうではなかったのになあ。



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