ブレッカー・ブラザーズがデビュー当時ホレス・シルバーのバンドにいたというのは有名な話だけど、長くやったのはランディだけで、二人同時に参加したのはこのアルバムだけ。
一般的には50年代、60年代のアルバムが人気だと思うけど、70年代のシルバーは実はかなりよいです。正直言ってこのアルバムはシルバーのベストではないかとおもう(言い過ぎかw)。そして当然だけどブレッカー・ブラザーズがいい。
ランディの初リーダー作での19歳のマイケルを聴いたときは衝撃だったけど、このアルバムも同じころの録音。マイケル節が、く~っ、たまらん。必聴だとおもう。
そんで、97年のシルバーのこのアルバム
ブレッカー・ブラザーズ参加で、しかもベースはなんとロン・カーターだ!きみ~ロン・カーターですよ~
どうせ日本人プロデューサーだろうとおもっていたら、驚いたことにトミー・リピューマである。まあ日本向けなんだろうけどね。だがな、日本人がみんなロンのファンだと思うなよ。
残念なことにこのアルバムは名盤ではないです。理由はシルバーの50年代の音楽性を再現しようとしたからではないかとおもう。曲もいかにもそのころの曲想で演奏もいかにもそのころのスタイル。シルバーのファンとしてはいまさらというか食傷気味なのだ。ブレッカー・ブラザーズは70年代のシルバーの音楽には絶妙に合うものの50年代のスタイルには合わない。そもそも曲があまりよくない。細野不二彦氏のマンガ「BLOW UP!」で「だれかさんが作った曲が駄曲なのに名演になるわけがないじゃん」というシーンがあったがそれと同じものを感じた。マイケルもランディもイマイチなのだ。
シルバーの音楽をブレイキーといっしょにやっているころから順に聴くとどんどん変化していることがわかる。90年代のシルバーはビッグバンドをやりだしたところだった。それなのに人気が高かった50年代の音楽をやらせているのだから本人も不満だっただろうとおもう。
そんなことは関係なくロンはいつものヴイーーーンをやっている。えっ?聴こえない?ちゃんときいてくださいよ、4曲目でみんながブレイクしてるところです。いつもより音は小さいけど。油断してるとダメ、ここを聴かなかったら他に聴くところないんだからw
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