2014年5月2日金曜日

レコード会社はこういう詐偽をやめてくれ



以前にもいったと思うんだけど、おいらはジャズ聴き始めのころ、コルトレーンにはまって、コルトレーンのアルバムを買いまくった。
プレステッジ時代はインパルス以降より際立っていないとは思うけど、それでもいつものバード、ガーランド、チェンバースとのブローイング・セッションはそれなりにすばらしいものだった。

さて、買い進めていくうちに、「ダカール」というアルバムに出会いました。

ダカール 
コルトレーンには「アフリカ/ブラス」なるアルバムもあるので(この時点では聴いたことなかった)、よくわからんがそういう音楽なのかもと思い、買ってみた。

ところが聴いてみると、どうもコルトレーンが目立たない。2人参加しているバリトンサックスがブリブリうるさくて、ノイローゼになりそう。
日本語ライナーを読んでわかったのだけど、リーダーなしのブローイング・セッションを、コルトレーンが有名になったからコルトレーン名義で発売したものだとのこと。

しかし、当時学生で金のないおいらにとって、コルトレーンのリーダー作ではなかったという事実はショックだった。

続いてコルトレーン・タイム。

コルトレーン・タイム 
なんとなくかっこいいジャケットだけど、これはピアノがセシル・テイラー。まったくおもしろくないし、これまたコルトレーンが目立たない。
英語による注意書きがあったので読んでみたら「もともとセシル・テイラーのリーダー作として発売されていたアルバム」と書いてあった。ひでえ。

しかし、一番ひどかったのがこれ。

ウィナーズ・サークル 

輸入物として買えばだまされることもなかったのだろう、また、今ならジャケットを見てコルトレーンのリーダー作ではないことはわかる。
が、当時はそんな判断もできなかった。日本盤は、このジャケットに日本語の帯がついて「ウィナーズ・サークル/ジョン・コルトレーン」と、堂々とコルトレーンのリーダー作であるかのように売られていた。
内容は、全8曲のうちコルトレーンは4曲のみ参加、おまけにソロは2曲だけ、ついでにいうとホーンが数人参加しているからソロがない曲は合奏で、トレーンの音すらよくわからん。

当時、ホントに金がないなかで買って、だまされたと知ったときには愕然とした。これは完全に詐偽だと思う。
いや、上述のうち最初の2つはジャケットを変えているからそっちのほうがあくどいという意見もあるかもしれない。でもね、まがりなりにも他のメンバーと同じくらいソロを聴けるアルバムと、半分しか参加せずさらに半分でしかソロをとっていないアルバムとでは、ことの重大さが違うよ。

このアルバム、「レイジー・アフタヌーン」という曲から始まるんだけど、このときのショックから、今でもこの曲が大嫌い。ついでにベツレヘムというレーベルも大嫌いになったよ。レーベルでなく日本のレコード会社がわるいんだけどね。



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