昔の話。
Ｖさんというトランペットがいた。本業は公務員。はっきりいってドヘタなのだが持ち前の社交性のせいか多くの仕事をとってくるひとで、おいらもよくサイドマンを頼まれた。
このひとは満足にリフも吹けないしアドリブも「とほほ」だったんだけど、得意なことが１つだけあった。それは、自分がうまく演奏できないことをひとのせいにするということだ。
リハのとき。
簡単なボサノヴァ曲だったのに途中でＶさんが迷子になって吹くのをやめた。そして、
「あのさあ、ピアノ、そういうふうに弾かないでくれる？やりづらいからさ」
などとひとのせいにする。
おいらたちはＶさんの責任転嫁には慣れているのでだまっている。仕事くれるしねｗ
４ビートの曲で「落ちて」しまったときもドラムに向かって、
「ちゃんと合わせてよ。そんなんじゃ吹けない」
などという。毎回これです。
言われるのはたいてい若手。おいらはＶさんと同じくらいの年齢だったので矛先は向かなかったけど。
当時はＶさんがいなくなると全員で悪態ついたもんだ。
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