2016年9月30日金曜日

カッチリと

昔の話。


理由は忘れたけど、ビッグバンドでトランペットを吹いている人と演奏することになった。その人、仮にYさんと言おうか、Yさんはビッグバンド経験豊富らしいがコンボは初めてとのこと。おいらはビッグバンドのことは何も知らないので、根拠がないものの変な期待と不安があった。


リハのとき。楽譜にはそれなりに強い。絶対音感もあるらしい。この時点で少し劣等感w ここでYさんが「アドリブは何コーラスやるの」ときいてきた。ちょっと意味が分からないが、「テキトーに」と答えると、
 「え?ちゃんと回数決めようよ」

と言ってきた。まあ、確かにダラダラやるのもアホらしいからね、3コーラスにしましょうか、ということになった。

早速演奏、最初の曲は問題なかった。続いてブルース。おいらがテーマからソロに入り、4コーラス目のソロに入ったら、Yさんが自分のソロを吹き始めた。一旦止めて、「まだギターのソロですよ」と言ったら、

「3コーラスだけって言ったでしょ」

おいおい、歌ものの3コーラスとブルースの3コーラスは全然違うだろ。さっきの3コーラスって話がずっと生きてるのか!おいらは単に長くなりすぎないように、という意味だと思ったのだが、どうもYさんはコーラス数を最初に決めてそれを数えていないと入れないらしいのだ。

「ブルースはテキトーにやってテキトーにやめるから、そしたら入ってください」
「そんな器用なことはできない!」

うーん、これがビッグバンドの弊害なのか?いやいや、そんなはずはない。Yさんだけが特殊なのだろう。

結局Yさんは、セッションでありがちな「逆循繰り返し」、ほら、マイルスのAll of meみたいな、いつものアレね、あれについても「何回繰り返すのか」ときいてきて、もうまともな演奏にならなかった。こっちが回数オーバーすると、構わずに入ってくるからね。臨機応変ということがまったくできない人だった。やたらとイライラしました。

その後遺症なのか、おいらは、前奏でもエンディングでも「テキトーに繰り返して」ということが多くなった。もう面倒くさい、ジャズ聴いている人だったら全部なんとなくタイミングわかるだろ~という気持ちがすごくある。わからなきゃ合図するし。



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