2016年9月24日土曜日

ショウほど素敵な商売はない




ジャズファンならほとんどの人が題名くらいは聞いたことがあるアーヴィング・バーリンの曲によるミュージカル映画。ストーリーはあってもなくてもいい程度のもので、人物の心情とかがまったく無視されているが、歌とダンスの部分は映画のタイトルが示すとおり重要視されていて他のミュージカル映画よりその割合がすごく高い。「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」のレベルまでは行ってないけれどショウの部分は当時のアメリカだけあってよく作られている。

しかしすべてバーリンの曲ではあるけどいわゆるジャズのスタンダードで知られているものがあまりないんだよね・・・。有名どころとしては「A Pretty Girl Is Like A Melody」「Play A Simple Melody」「Alexander's Ragtime Band」そして「There's No Business Like Show Business」があるんだけど。以前にも言ったように、バーリンはティンパンアレイの分業体制の典型みたいなもので、メロディしか書けなかった(書かなかった?)。そのせいか、コード進行がつまらないものがやたらと多い。今のポップスみたいなもので、歌曲として歌うには申し分ないんだけどジャズの素材にはならない。バーリンの曲にジャズスタンダードが少ないのはそういう理由が大きい。一度でも「Cheek to cheek」を演奏すれば納得すると思う。



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