2015年5月22日金曜日

なぜフュージョンは嫌われるのか

何度も言っていることだけど、おいらはモダンジャズと同様にフュージョンが大好きだ。フュージョンの魅力は、故中山泰樹氏の「く~たまらん」という表現に尽きる。たまらんのだ。

それなのに、なぜフュージョンは世のジャズファンに嫌われるのだろう。理由を考えてみた。

まず、ロックやポップスの要素があるから。ロック嫌いだからジャズ聴いているのに、ということかもしれない。でも、ロックのような8ビートでも、ガッド、コブハム、ホワイト、ウェックルなどのドラムに不満あります?ていうか、彼らの演奏聴いているとそこらのロックを凌駕していて、全然ロックらしくないw

それから、ポップス要素があるのが軟弱っぽいという理由もあるのだろうか。硬派なジャズを聴いてきたのにいきなりポップなサウンドなんか聴きたくないとか。確かに一番どきつい時代の次にフュージョン時代が来るからねえ。

それから、単にダサいとかつまらんとか思っている場合。つまらんという人には「しっかり聴いてくれ」といいたい。ちゃんとこれまでのジャズの歴史を踏まえた演奏してますから。ダサいという人に対しては「いま聴いてダサいと思う、その70年代らしさが魅力だ」といいたいね。

それから(「それから」ばっかりだな)、電気のサウンドが嫌いという人もいるだろう。でもさ、ハモンドの音色だってあれは電気だよ。それと、ウェス師匠などのギターだって電気。生音を無理やりマイクで増幅してもああいう音色にはならない。 
人間の生活は電気なくして成り立たないのだから、この期に及んで電気を認めないというのはなんだかおかしい。好き嫌いならいいんだけどね、ボントロの音色が嫌いなのと同じ理由だとか。でも単に電気だからダメというキースみたいな意見は、どうなのかなあ。
思えば、リード楽器がない時代もあったわけだ。いや、ピアノがない時代、ハープシーコードやチェレスタしかない時代もあった。その後ピアノやリード楽器が登場して「新しいものだから認めない」という人がいたらおかしい。電気というテクノロジーだから認めない、というのなら、何なら認めて何なら認めないのか。デジタルだから?いやいや、マクラフリンやコリエルの音色はアナログですよ。ていうか、ロックはほとんどアナログ。

単に感性に合わないという人もいるだろう。評論家の中には、理解できないのに全盛期に「いい」なんていっちゃったもんだから、今になって恥ずかしさもあって余計にフュージョン嫌いになっている人もいる。

だから、フュージョン好きにとっては、今でもフュージョンフュージョンといっている熊谷美広氏は偉大なる尊敬すべき評論家なのです。



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