1992年に新潮文庫で発売された本。油井正一先生の文章は大変面白く「油井ライナーに駄文なし」といわれているくらい(おいらが勝手にいってるだけ)、書籍になってもジャズに対する深い愛情があふれている。
冒頭でEP対LPの戦いが語られている。油井先生は戦争でSP3,000枚を消失し、EPで買い直したけどLP主流になったのでLPでさらに買いなおしたという、さすがジャズ・ファンとしかいえないツワモノ。ベータ対VHS(それもいまのひとは知らないか)でベータを選んだひとを超えているような気がする。
内容は基本的にはアルバム紹介だが、タイトル通りCDということがちゃんと考えられている。「ひとつのグループで74分聴くのは身体的に苦痛」であるし「時間を有効に使うため」初心者はコンピレーションをきいて良いと思うものを掘り下げたほうがいいということで、オムニバスやコンピレーションものも取り上げている。しかしこういうときに「苦痛」と言い切れるのは油井先生だけでしょうな。他の人が言ったら例のフレーズ「だからおまえは何もわかってない」を浴びせられるわ。
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