ブルージャイアント第33話で、テキトーにジャズもどきをやっていた人たちのせいで、ジャズがだめになったというような主旨のセリフがあった。これについて考えてみたい。
おいらの感覚では、80年代のジャズはホントにつまらない。それこそ手クセだけの音楽になってしまったような気もする。でも、それは別の世代が聴くと違うように感じるのだろう。
手クセだけのジャズというなら、50年代末がすでにそうだったとも言える。本多俊夫氏の著書にも「従来のバップ手法ではフレーズがどれも同じになっていき、そのアンチテーゼとしてモードやフリーが生まれた」と書いてある。
おいらたちが一番ジャズらしいと感じる時代が、すでにそうだったというのだ。
おいらは80年代~90年代のジャズこそが、ジャズをつまらなくした原因だと考える。すなわち、やたらとテクニックがあって、昔のジャズの巨人たちより断然に上手なミュージシャンだらけになってからだ。
うまいというだけでなんとなくすごいと思い、レコーディングのチャンスを得てSJでゴールドディスクとなる。でも、ホントに単に「うまいだけ」で、深みもまったくない。90年代にそんなアルバムが大量生産されたでしょ。
プロデューサーも目がないのだ。 目の前できらびやかに演奏すれば、そりゃ衝撃的だけどさ、それは視覚によって音楽的な本質を誤解していたのではないか。
誤解を招く、あえてショッキングな言い方をするなら、「ミュージシャンがうまくなりすぎたから、ジャズがだめになった」とでも言おうか。
あと、老害も問題だよね。一時期大人気を誇った大物ミュージシャンが、年をとって深みを増せばいいのになんだか単に淡白になって、でも若い世代の感覚が理解できなくなって、やたらと平坦なアルバムを録音していた。普通にジャズをやっているミュージシャンは深みが増していい味を出すんだけど、なまじ70年代にバリバリとフュージョンをやっていた人は、その頃のとがった感覚が失われて、新譜を聴いてもつまらなくなった。そういう経験ない?
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