2017年6月30日金曜日

これで二度めかも


昔あった話。


当時のバンドリーダーの好みで、若い女性ボーカルと一緒にやることになった。例によって、ジャズなんて特に好きでもないという人だった。

とりあえずリハで集まって、レパートリーを確認しながら練習していったのだけど、まず「Gone with the wind」続いて「Misty」それから「The man I love」。ここで何かが頭をよぎる。この組み合わせ、なんだっけ・・・
続いてコールポーターの「Too darn hot」。本来ならここで気づくべきだね。この曲自体が珍しいから。そして、ついに来ました。

「えっと、じゃあHow high the moonっていう曲を。楽譜持ってきたんですけど、このキーでなくて」
でたでた、移調せずに印刷だけして持ってくるというパターンだ。それはいい。

「で、ここまでいったらテンポ速くなってドラムがジャカジャカやったらまた歌です」

はいはい、エラ・イン・ベルリンをそっくりそのままコピーしようとしている。もう恥ずかしいからやめてくれ。世の中にはそのまんまコピーしてもリスペクトにもならずかっこわるいだけという超名演があるんだから。
この「How high the moon」をそのままやりたい、という人は過去にもいた。今考えてみると、ジャズを好きでもない若い女性にも「真似したい」と思させるほどの名演、さすがエラだし、それを怖気づかずにやりたいと思える女性は、実はすごかったんじゃないかと思う。

しかし、それならちゃんと楽譜書いてこいw 
ま、さすがに超・超歴史的名演(名唱というべきなのかな)の、アドリブだらけ自由自在の「Mack the knife」をやりたいとは言わなかったな。あれは無理だw






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2017年6月29日木曜日

DONALD BYRD “PLACES & SPACES”



 
DONALD BYRD “PLACES & SPACES”

ジャズファンはドナルド・バードに足を向けて寝られない。なぜなら、ハービー・ハンコックを世に送り出したのがドナルド・バードだからだ。ハービーの親を説得してN.Y.に連れてきて、(一応)住むところも世話して、作曲の版権についてアドバイスして(これ重要)、バードは望んでいなかったけど私情を捨ててハービーがマイルスのバンドに入るために背中を押してくれたのだ。これらのことがなければバービーが作り出した素晴らしい音楽はなかったかもしれない。

前置きが長くなったけどドナルド・バードとマイゼル兄弟のコラボの代表作。おいらがまだバリバリの4ビート至上主義者だったころにこのアルバムのジャケットをみて「なんてジャズっぽくないジャケットだ。どうせ中身は電気使いまくりの音楽なんだろう。絶対に買わない。ドナルド・バードも落ちたもんだ(←まだフュエゴしか知らんのに)」と強く誓っていたアルバムw いまではバードの4ビート時代と同じくらい、大好きである。ジャケット通りの空を飛んでいるような爽快なアルバムです!

あ、ちなみにこれはフュージョン100ではない。うーん、フュージョンと呼んでいいのか、バードは少し路線が違っているからね。フュージョンはすごく多様で型にはめられないけど、これはでもやはりフュージョンなのかと疑ってしまう。




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