昔あった話。
ライブまでリハの機会が取れず、メンバーにセットリストを送って「当日、楽譜を忘れないように」と伝えた。リハなしだから、スタンダード中心で簡単なものがいい。そういう条件で選曲した。その中にスタンダードの「Time after time」があった。ジュール・スタインの曲ね。
しかしこの曲、歌伴でまったく違うキーで演奏したことがある。そのときの楽譜もある。おまけに、シンディ・ローパーの同名異曲もやったことがありそのときの楽譜もある。
おいらはメールで、「キーはFメジャーの方、間違わないように。それと、シンディの曲じゃないから、絶対に間違わないでください」と連絡しておいた。
ライブ当日。 直前、リハはしないがミーティング時間はあった。楽譜を確認してみると、ピアニストが「あ、これでしょ」と歌伴用の、違うキーのものをとりだした。
「Fって言ったでしょ」
「そうだっけ?」
まあ、見ながら移調して演奏すれば問題ないだろう。 ところが、ベーシストが「この曲だよね」と、やっぱりシンディの方をとりだした。
「シンディの方じゃないって言ったでしょ!」
「そんなの知らないよ、Time after timeっていったらこの曲でしょ」
逆ギレというやつだ。だから80年代マイルス以降しか知らないやつは・・・有名なスタンダードだろ~
スタンダードがスタンダードとして認識されていないと、言葉が通じないような気分になるよ。
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