2017年2月1日水曜日

押すなよ、押すなよ

昔あった話。


ライブまでリハの機会が取れず、メンバーにセットリストを送って「当日、楽譜を忘れないように」と伝えた。リハなしだから、スタンダード中心で簡単なものがいい。そういう条件で選曲した。その中にスタンダードの「Time after time」があった。ジュール・スタインの曲ね。

しかしこの曲、歌伴でまったく違うキーで演奏したことがある。そのときの楽譜もある。おまけに、シンディ・ローパーの同名異曲もやったことがありそのときの楽譜もある。
おいらはメールで、「キーはFメジャーの方、間違わないように。それと、シンディの曲じゃないから、絶対に間違わないでください」と連絡しておいた。


ライブ当日。 直前、リハはしないがミーティング時間はあった。楽譜を確認してみると、ピアニストが「あ、これでしょ」と歌伴用の、違うキーのものをとりだした。

「Fって言ったでしょ」
「そうだっけ?」

まあ、見ながら移調して演奏すれば問題ないだろう。 ところが、ベーシストが「この曲だよね」と、やっぱりシンディの方をとりだした。

「シンディの方じゃないって言ったでしょ!」
「そんなの知らないよ、Time after timeっていったらこの曲でしょ」
逆ギレというやつだ。だから80年代マイルス以降しか知らないやつは・・・有名なスタンダードだろ~ 

スタンダードがスタンダードとして認識されていないと、言葉が通じないような気分になるよ。




↓よろしければ投票してください!

音楽(ジャズ) ブログランキングへ