知人のベースのTくんがサックス奏者Bさんのバンドにいた頃の話。
もともとこのバンドはロリンズ風のピアノレストリオだったが、Bさんがご執心のボーカルが毎回数曲歌っていた。ピアノレスではあるもののボーカルのバックでBさんが絶妙にオブリをつけるので、ハーモニーが貧弱な感じではなかった。
Bさんは話が上手で、ボーカルが出てきてもMCは回さず、Bさんがべらべらとしゃべっては歌に移行するというのがいつものパターンであった。
あるとき、ライブの当日になってBさんが高熱で寝込んでしまった。Bさんカルテット(正確に言うとBさんトリオ+1かw)名義のライブであり、リーダーがいないのは来てくれたお客さんに申し訳ないが、ボーカルがいるのでフロントは華があり、なんとかなる。ただ、ハーモニーが弱い。ボーカル+ベース+ドラムだからね。Tくんは、おいらではなく友人のピアニストを呼んで、楽器編成としてはいいかたちにした。
ところがこのボーカルがMCはしたくないと言いだした。バンドの演奏内容はほとんどボーカル曲であり、奥に引っ込んでいるリズム隊がMCでしゃべるというのは見ていて違和感があると思うのだが、絶対にいやだとのこと。ピアニストも自分はトラでありいくらなんでもMCってわけにはいかないということで、結局Tくんが曲の合間にいろいろしゃべった。ボーカルは1人フロントにいて、その間無言。おかしな風景だった。
ホントかどうかわからないけど、どうやらそのボーカルはジャズなんか嫌いだけど何曲か覚えて歌っていたというだけなので、曲紹介の際にまったく解説できないというのを気にしていたらしい。
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