Milton Nascimento"Milton"
わるくはないアルバムだけど、アメリカ人の傲慢さがこれでもかと表出されたアルバムだ。
アメリカ向けに作成されたアルバムで、プロデューサーもアメリカ人(クリードテイラーではないようだけど)。
ミルトンのブラジル国内の録音に比べると、ビートが強すぎるし、軽微ながらポップなアレンジ部分もある。しかし、一番ひどいのは英語で歌わせていること。そのため一部原曲とメロディを変えているところもある。 ミルトンのアルバムはかなり持っているけど、これはあまり聴かないなあ。
アメリカ人は英語以外認めないから、永遠に、世界各地の英語を歌わない素晴らしい才能に出会えない。イヴァン・リンスもほとんどのアメリカ人はアルバム「Love Dance」とクインシーのアルバムに収録されたVelasしか知らないんじゃないの?(パット等ミュージシャンはそれなりに聴いているようだけど)
ブラジルの天才の中でも、もっとも英語で歌わせてはならない一人がミルトンだと思う。
ゲッツ・ジルベルトは1964年だっけ?あのころはまだポルトガル語で録音していたのにねえ。ああそうか、あそこでアストラッドが売れてしまったことで、レーベルも大衆の「英語以外認めん」気質に完全に迎合するようになったのか。マルコス・ヴァーリの「Samba68」とか悲しくなってくるわ。
さて、文句ばかりいっているけど、このアルバムの聴きどころはなんといってもショーターのソプラノ。いろんなところでショーターのソプラノを聴くことはできるけど、とにかくすばらしい。ジャズ史上最大の個性の1つだろうね。コルトレーンはソプラノのきっかけを作ったけど、ソプラノであることの必然性という点ではショーターにかなわない。ソプラノとアメリカナイズされたリズムセクションによるブラジルテイストとの融合の素晴らしさを聴くにはお薦めのアルバム。←微妙な表現だけど一応ほめています。
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