おいらがすごくヘタだったころ、そう、やっとなんとなくジャズをわかってきたつもり(実際わかってなかった)のころ、知り合いのつてで若い18歳くらいのドラマーと一緒にリハーサルをする機会があった。なんでも翌年にバークリーへ行くということで、それだけの技術があるんだろうなと少し緊張してしまった。
実際音を出してみると、トニー・ウィリアムスのようなスタイルで、まずそれに戸惑ってしまった。当時のおいらのまわりにいたドラマーはみんな50年代とか60年代ファンキージャズみたいなひとばかりで新主流派みたいなドラマーと共演したことがなかったのだ。
やった曲は60年代マイルスの、たしかESPだったとおもうけど高速なうえにかっちりとしたドラムのパターンではないので曲のどこをやってるかわからなくなり(ベースを聴くということすらあせって忘れてしまった。あとから聞いたらベースも見失っていたという)演奏しながら修正の連続だった。合ったなとおもうと曲の区切りでないところでドラムがフィルをいきなり入れる。「え?いまのところが区切りか」とおもって修正する(ベースもw)とまた全然入れるべきじゃないような場所でフィルがあり「またズレてしまったか」と思いながら修正というどうしようもないものだった。
やったのはこの1曲だけだったけど斬新なスタイルのドラムについていけなかったのがすごくショックで1週間ほど悩んでしまった。
しばらくしてプロでやっていた大先輩のギターのひとにこのことを話したら「ふーん、そのドラムは本当にわかってやっていたの?」ときかれた。ギターとベースが勝手にバークリー予備軍に萎縮してドラムが絶対に正しいと思い込んだだけで実際はドラムのほうがどんどん崩れていったのではないかということだった。真相はわからないが(おいらがびびったのは事実だがw)案外そうかもなとおもった。
これと似たような別のはなし。
これも同じころでおいらがもんのすごーく(←歌丸風ね)ヘタなころ。上手いと評判のドラマーと共演する機会があった。おいらは4バースというのはフロントとドラムがいっしょになって音楽をつくる場面だとおもうのだけど、そのひとは過酷な修行をしてきたのか何があったのかわからないけどフロントとドラムの戦いみたいに考えているようで、気持ちよく4小節ドラムソロをいれるなんてことは絶対しないのだ。トリッキーなアクセントをいれてフロントが入りづらくするとか、振られた4小節を叩かないでヘンなところに1か所だけ音をいれるとか、そういうことばかりするんだよね。
そして当時ダメだったおいらがうまく入れないのをみて小バカにしたような顔をしてました。案の定、終わってから別のギターの人においらの文句をたくさん言って、そのギターの人がわざわざおいらにその内容を伝えてくれました。これも落ち込んだわい。
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