CHRISTIAN
McBRIDE “GETTING’ TO IT”
ウイントン・マルサリスのときほどではないけれど、クリスチャン・マクブライドのデビュー・アルバムが発売されたときはメインストリーム回帰を切望するひとたちからかなり好意的にうけとられた。ウイントンのときと同じで、若い新人が昔のジャズをしっかりやる、しかも技術もある、というのが話題になった。当時のおいらも驚いた。
しかしこれは彼の周到なやり方だったのだよね。次作以降はフレットレスや多弦など数種類のエレクトリック・ベースも弾きはじめた。サウンドだけ聴くと必要性があるとは感じられないが(ロックで頻繁にギターを持ち替えるよりは意味があるけど)。服装もジャズとはちがう、若者のストリートファッションみたいなものになっていった。「なっていった」というより、もともとそうだったのだろう。まあこれらのことがよくないというつもりはまったくないけど、つくるアルバムはどんどんつまらなくなっていったね。プロデューサーの意向かどうかわからないけど、結局また古いジャズ路線でやっているね。
彼のアルバムは9枚買ったんだけどこの1stが一番よい。90年代からジャズは大きくかわっていないとおもっていたけど、久しぶりに聴いたらこのアルバムには明らかに当時のサウンドがある。恥ずかしくなるくらい90年代だった。
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