どんなに「ボーカルも対等なミュージシャンだ」などといってもそれは建前で、ワンランク下だとおもっているのがジャズの器楽奏者の本音ではないだろうか。
外から見ればボーカルが中心に音楽をつくっているように見えても、まわりがあわせてやっているのが現状。マイルスやハービーが自伝で「ロックのミュージシャンは音楽の構造を理解していない人が多い」といっているけど、ボーカルにおいてはロックだけでなくジャズも同様だとおもう。もちろんそうじゃない人もいるけど。わかってますよ。例外もいます。
だからというわけではないがおいらは歌伴は好きではない。好きじゃないから上手くないんだけど。おいらのまわりには歌伴が好きだという人物が何人かいる。若いピアニストに「弁村さん、それはまだ歌伴のおもしろさをわかってないんですよ」と言われたこともある。「お前、気は確かか?」と(久々w)言いたくなるが、たしかにそういう人は伴奏がうまい。たしかにこれならやっていて楽しいのだろうなとおもう。
ギターとピアノは歌に一番寄り添うことができるのでまあわからないでもないが、サックスや、なんとドラムなどでも歌伴が好きだというひとがいるのが驚きだ。こういうひとたちは技術があるし繊細な演奏もできる。だから歌が引き立つのだと思う。ボーカルのレコードを聴いていて「いいな」と思うのは、バックがいい演奏をしている場合が多い。で、まれにバックがどうのとか考えず単に歌唱だけで「いい音楽だ」と思わせるひとがいる。こういうのは本当にすごいと思う。
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