2015年6月6日土曜日

ギル・エヴァンスのPRIESTESS



 
GIL EVANS “PRIESTESS”

キツいことをいうけど個人的感想なので異論ある人は無視してください。

このアルバム、長らく入手困難であったが再発されたので購入した。
うわさで聞いていたとおりサンボーンはたしかにすばらしい。他のソロイストも大変すばらしい。演奏は本当にいいです、はい。

えーと、ライナーをみたら「曲のバランスがよい」とあるんだよねえ。おいらはまったく正反対の感想なんだけど。バランスが悪すぎる。なんじゃこりゃ。3曲目削って4曲目をもっと長くいれろや、とか思ったね。

それでですね、アレンジという観点からするともうね、なぜこのかっこいい曲をこんなにかっこわるくやるのかなと。いいプレイヤーと名曲がそろっているから何もしなくても(なにもしないほうが)いい演奏になるのだが、それをさらに高いところへもっていくのが優れたアレンジャーなんだよね。ギル・エヴァンスというひとは音を重ねるのはたしかにうまいのだけどさ、それ以外の全体的な編曲となるとイマイチなんだよね。
60年代まではそれで通用したんだけどさ、ジャズが多用化した70年代ではそういうわけにはいかない。そこにアレンジャーのセンスが必要になってくるんだけれど、この頃になるとヘンにいじって台無しにしちゃうから「いないほうがいい」という印象が強くなってくる。「時の歩廊」のあたりがピークでそこから落ちてくる。エレクトリックを大幅に取り入れたわけではないけど使い方がヘタで電化の悪い見本をつくったとおもう。80年代はもう「ダサい」のひとこと。残念。スター・プレイヤーがいなければ聴けない。

マイルスと一緒にやっている頃や「菊池雅章+ギル・エヴァンス・オーケストラ」なんかの編曲は背筋が寒くなるようなかっこよさだったのだが。




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