クリス・ボッティの2012年来日公演の録画を見た。ずいぶん前にBSで放送したのをずっと見ていなかったのだ。
ハードなものが好きなジャズ・ファンには物足りないかもしれないがジャズにくわしくないひとでも楽しめる演奏で、客席に若い女性が多いのはハンサムだからだけではないのだなと感じた。音色が美しく安定していて、バイオリンのような倍音豊かな弦楽器の直後に演奏すると透明感がさらに際立つ。スティングのツアー・バンドにいたそうなのでポップス寄りの選曲が目立つけど、ジャズ以外の音楽ファンをとりこむにはちょうどいいとおもう。
だがね、別撮りの、JUJUによるボッティへのインタビューが1曲ごとに挿入されるのだけど、これがなんというかあきれる。過去の発言によりジャズのことは全然知らないことをすでに露呈しているJUJUだが、この頃はまだそうではないのかな。
しかしインタビュアとしての資質はゼロで、インタビューの最初のほうはどうなることかとハラハラさせられたよ。ボッティが「12歳のときに初めてマイルスをきいた」とうと「わたしも10代のころにきいた。恋愛について考えさせられるよね」などと意味不明なことをいう。
本当に知ってるのか?
それを悟ったのかボッティは「60年代のマイルスは最高だ」とさぐるように返す。JUJUが音楽的につっこんだ質問ができないので「一日に何時間練習するの?」とか「ハンサムだよね」とか愚にもつかない話ばかりする。おーい、誰だこいつ呼んだのは、と叫びたくなる。ちなみに練習時間については「ライブがない日は3,4時間」という答え。プロとして少ないような気がしたがJUJUは「ワォ!」とかいって驚いていた。「どうしてスタンダードを演奏するのか」などという、もうほんとジャズを知っていればでてくるわけないあほな質問に対してのボッティの回答はすばらしい説得力のあるものだった。相手に伝わってないと思うけど。
JUJUは「ウェインのアルバムから芸名をつけた」とかいって、まるでジャズファンであるかのように装っているくせに、初心者以下だから困るんだよな。
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