トム・ウェイツをご存知だろうか。
ジャズにはエキサイティングな部分もあり、おしゃれな部分もあり、退廃的で酒に似合う部分もある。
その、退廃的な部分だけを抽出してポップテイストをまぶしたのが彼の【初期の】音楽だ。初期以降は好きではない、音楽というより語り中心っぽくなるからね。アサイラム時代だけがお薦めなんだけど。
おいらの説明はよくわからないかもしれないので、一度聴いてみてほしい。お薦めアルバムは「クロージング・タイム」「サタデー・ナイト」と「スモール・チェンジ」かな。サックスのトム・スコットも参加している。
Small Change
基本的にはアコースティック・ピアノをバックに、ひしゃげた声で、「おれなんてつまらない男だ、土曜の夜なのにひとりで酒を飲んでいるだけなのさ」というような曲を歌う。このムードがたまらない。
伴奏のミュート・トランペットもよい。深夜にウイスキーを飲みながらトム・ウェイツを聴いたりする。日本にすむ普通の成人のつもりだけど、このときはアメリカの場末の酒場にいるような気分になるのだw
本人も場末感を出すために、売れてからもしばらく安モーテルで生活したこともあるらしい。
まあ、とにかく聴いてみてください。夜ジャズを聴こうと思って、「ピーターソンは明るすぎる」「マイルスはたまに小難しい曲が入ってくる」「ロリンズはちょっとムードとはかけはなれてるんだよなあ」と思ったときにちょうどいい音楽です。ちなみに日本盤の帯には「ロック」と書いてあるけど、ロックではないんだよなあ。
ジャズファン以外のひとに、これをジャズだと思われたくないけど、多分ジャズファン以外のひとはこれを聴いて「ジャズっぽい、かっこいい」というはず。
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