2014年9月10日水曜日

書籍「アフロ・ディズニー」





この本を買ったときは、菊池・大谷コンビによる新刊ということでワクワクしながら家に持ち帰ったことを覚えている。まあこの本が今後このコンビの本を読むのをやめる原因となったのだけどね。


「憂鬱と官能を教えた学校」、「東京大学のアルバート・アイラー」、「M/D」と、軽妙な語り口と音楽に対するするどい感性でたてつづけにヒットを飛ばし、新しいスタイルを作ったかに見える菊池・大谷コンビだったがこの本はまったくおすすめできない。

まず、売りのひとつであるあの口調が見事に封印されている。実際の講義はちがったのだろうが、本にするにあたり丁寧な「です・ます調」に変えられている。そのせいで、いままでなんとなく意味不明でもノリで楽しめたところがなくなり、実はまったく中身のない話というのがバレバレとなっているのだ。

そして、これが一番大きいつまらない理由なのだけど、なんと映画について語っているのですよ。映画にくわしいひとには「戦艦ポチョムキン」とかはわかるだろうけど、一般人にはわからない。菊池・大谷コンビがヒットしたハリウッド映画など語るわけはなくマイナーなところをついてくる。以前から薄々と感じていた「適当なことを言って知ったかぶっている」感が確信にかわってしまった。いろんな分野の専門用語を用いてきた彼らの言葉が薄っぺらになってしまった。はっきりいうと、映画の専門ではないミュージシャン二人が映画のことを講義してどうするのだろうと思う。語り口が丁寧になってるのもありまったくおもしろくない。たしかこれが上巻だとおもったけど、下巻はでたのかな。

これを境に菊池氏のインタビューも読みたいと思わなくなった。ウェイン・ショーターと菊池氏の対談読んだときはいつもとちがって菊池氏がものすごく恐縮していて新鮮でおもしろかったので例外もあるかとおもうけど。


そして最近発売されたこれ、

チャーリー・パーカー (KAWADE夢ムック 文藝別冊)
 
チャーリー・パーカーは大好きだけど冒頭が菊池氏の対談ということで買うのをやめたよ。冒頭は一番重要な部分。全体的にもどんなレベルかわかったような気がして・・・。


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