2014年8月24日日曜日

ドナルド・バード「フリーフォーム」



おそらくジャズファンほど「フリー」という言葉に敏感に反応する人種はいないのではないか。ジャズを聴き始めてある程度わかった頃はとにかくフリーというものをさけるようにしていた。買ってみてフリーだったら泣くに泣けないからね。だまされた!と思ったことのあるひとも多いでしょ。ハッチャーソンの1st「ダイアローグ」を買ってきてはじめて聴いたとき、「あれ?フリーっぽく始まったな」という感想が「1曲目はどフリーだったけど2曲目以降は『ハプニングス』のような展開なのだろう」にかわり「つぎこそはちゃんとした曲をたのむ」と思っているうちにアルバムが全曲フリーだと思い知らされた衝撃はいまでもわすれられない。そのせいでこのアルバムも買うまでかなり警戒していた。
Free Form
DONALD BYRD “FREE FORM”

おいらはドナルド・バードの大ファンだ。かなり考えた演奏をしているひとだと思う。マクリーンとのクインテットはたまらん。このアルバムはウェイン・ショーターとハービー・ハンコックが聴きものだ。とくにウェイン。デビュー直後でしょ、ものすごい個性だ。それでタイトル曲のFREE FOAMはどうかというと、たしかにフリーっぽい雰囲気が少しあるけどまったくフリーではない。かっこいいです。

ドナルド・バードのフリーということでこれ↓はもっと距離をおいていた。
Fancy Free
DONALD BYRD “FANCY FREE”

ジャケットが“昇華”というイメージでディスコグラフィには「60年代に別れをつげた作品」みたいに書かれていて、なんというか路線がちがうのかなと思っていたんだよね。入手困難というのもあったので存在を知ってから実際に聴くまで時間があったけど、結局まったくフリーではなくむしろポップでした。まあいいのはタイトル曲だけで残りはイマイチだけど。

そのあとバードがリリースしたのがこれ↓
Electric Byrd
DONALD BYRD “ELECTRIC BYRD”

フリー度はむしろこっちのほうが上。エレクトリック・マイルスに影響されまくっている。アマゾンのレビューでFANCY FREEがハービーをパクっているとかかれてたけど、このアルバムも同時期のワーナーのハービーをしっかりパクってるw




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