15年くらい前だっけ、ピアソラがブームになり始めたころ、友人に「ピアソラって、作曲家としてすごいの、演奏家としてすごいの?」ときいたら、「どっちもすごい人なんだよ」という回答だった。
演奏も作曲もどちらもすごい人って、なかなかいない。クラシックは完全に分業だと思うし、ロックはどちらも井の中の蛙だし。あ、何度も言ってるけど、おいらはロックは大好きだからね。
ジャズとなると、そもそもプレイをすることが命である音楽であり、どうしても「演奏家としてすごい」ひとだらけになってしまう。
いや、当然作曲もいいのですよ。ビル・エバンスの晩年の作品なんかどれもこれも涙モノでしょ。でも、エバンスの名声はそこにあるのではなく、60年代のトリオでの演奏が評価されているからこそ。ちなみにおいらは70年代以降のエバンスこそ最高だと思っているんだけど。
ウェイン・ショーターだって独特の個性的な作曲をするけど、彼の名声は作曲家としてではない。つまり、ジャズにおいてはまずプレイヤーとしての評価があり、「彼の作曲もいいよね」というように、作曲は付随的に評価されるにすぎない。
ミンガスは演奏のほうはすばらしいのだけどベーシストの中で特にぬきんでているというわけではないし、モンクについては演奏は個性的だけど技術的には評価できない。
ジャズにおいて作曲を専業にしているひとはかなり少ないし。
それでも作曲も演奏もどちらも同じように高く評価されているひとはいないか考えてみた。すると・・・
いましたね、パット・メセニーとジャコ・パストリアス。 パットなんかその曲の美しさでけっこうファンが増えたよね。ライルがいないと崩壊するといううわさもあるけど。
ジャコは80年までだけど文句なし。
まあどちらもフュージョンのひとなのだけど、メインストリームのプレイヤーにそういうひとはいないだろうか。
と思っていたら、ハンコックやコリアなんかはそうだね、作曲も演奏もすごい。なんだ、探せばけっこういるな。
え、「ハンコックとコリアはジャズじゃない」?
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