2014年4月18日金曜日

勘違いしてないか?電気なしでジャズはできない



前にもいったと思うけど、電気を嫌うひとがいる。
そういうひとたちはジャズがアコースティックなものだと思っているようだが、電気なしでジャズはできない。コンボのなかではアンプでの増幅なしでジャズギターは成り立たない。

以前、アマチュアの録音マニアみたいな人が録音させてくれと頼んできたときがあった。
断る理由もないのでOKしたら、彼が機材をセットしてるときにおいらのアンプを指さして、

「これ通すまえに音拾いたいんだけど」

といった。あほか。
アンプまで含めてギターの音色だ。たしかそのときは175使っていたとおもうが、録音をするなら最低限の楽器に対する知識はもっていてもらいたい。


ベンソン先生やパットの音色、いいでしょ?あれは電気ゆえの音色だよ。ウェスもしかり。
 スーパーギタートリオはアンプ使っていないって?あれは、あの編成で音量のことを考えなくていいんだし、基本的にマイクで音を拾ったあとPAでいろいろ調整していますよ。




ギターはまだいいけど、ウッドベースというのはどうも電気嫌いの標的にされる傾向が強いようだ。
電化したのがそんなに古くないことと、生音が(ギターよりは)大きいからバンドサウンドに埋もれないとおもっているのだろう。

大きな間違いだ。

その録音マニアはベースのAくんのところにいってアンプを指さしてこういった。

「オレ、それ、大嫌いなんだよね!!!」

大きなお世話である。
あんたがアンプを好きか嫌いかなどどうでもいい。だいいち、だったら録音なんかするな。
予想通り、ベース用のマイクはアンプではなく楽器側におかれた。しかも「アンプの音が入るからなるべく離れてくれ」という注文だった。頼んだわけでもないのに、いったい何様のつもりだろうね。Aくんは「はいはい」といいながら逆にすこし近づけていたw

電気で増幅した音が嫌いなひとにいいたいが、だったらボーカルのマイクはどうなんだ。
ボーカルの場合必ずリヴァーブかけるだろ。それはいいのかよ。それとも大昔みたいにマイクなしで歌うべきなのか?
だいいち、電気で増幅した音が嫌いならそもそも録音も再生もできないだろう。スピーカーというものは電気で信号を増幅しているわけだから。

とまあ、極端なことをいってしまったが弦楽器で電気使わないでというのは無理な話なんだからいいかげんに理解してほしい。

ところでベースのAくん、別の仕事のとき、演奏が終わってから客に「アンプを使うというのは音量が小さいから?」と尋ねられた(場所はホテルのロビーみたいなところで広かった)。実際はその客のいうとおりなのだけど、電気否定派の雰囲気があったのであえて「いや、自分が電気の音が好きだから」と答えた。その客はむっとして「オレは電気の音がきらいだ」といって帰っていったそうな。いやあ、クラシックじゃないんだからさあ。クラシックのオケで、そもそもどうしてああいう人数・編成になっているか考えたほうがいいよ。

ついでに、フュージョン大好きのアルトサックスBさんは、どんなに小さなハコで演奏するときも必ずマイクを通す。フュージョンのサックスは生音ではレコードのような音色にならない。サンボーンのような音色はマイクあってこそのもの。まあ上に述べた電気嫌いのひとたちはそもそもフュージョンサックスも嫌いだろうけどね。おいらはマイケルの電気サックスが大好きだけどね!

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