ローランド・カークの最高傑作といわれる、「溢れ出る涙」。
カークのアルバムをいくつか聴くと、特にこれが優れているわけではないという気がするが。
おいらとしてはこっちのほうが好きだ。モントルーのライブ。
まあ、「溢れ出る涙」は評価が高いだけあって、確かによいアルバムだ。初心者にも楽しく聴けるだろう。というか、カークの写真を見るとキワモノっぽく思えることもあり初心者は敬遠するかもしれないが、いい意味で普通の音楽、すごい才能の爆発なんだけど「詩人にしか理解できない」という種類の音楽ではないので安心して聴いてもらいたい。
「溢れ出る涙」収録の「Many Blessings」という曲なんか最高だ。テーマメロディはセロニアス・モンクの作曲かと思うような感じで、ソロに入ったとたん、カークが循環呼吸で延々と、コルトレーンばりのシーツ・オブ・サウンドを吹きまくる。
カークの循環呼吸は弱くなる瞬間がない、一般的な手法とは違う独特のやり方をしているのかな。
この曲にはいわゆるコルトレーン・チェンジの部分がある。「Have You Met Miss Jones?」のサビといえばそれまでなんだけど。いずれにしろジャズファンなら一度聴いてみるべきだろう。
ところで、循環呼吸ができる知人のサックス奏者が「必然性がなければ循環呼吸なんて単なる一発芸だ。なぜ循環呼吸をする必要があるのか、その理由が伝わる演奏をしなければならない」といっていた。そうか、ギタリストには循環呼吸は関係ないが、フレーズを延々と続けるにしても必然性が求められるということだな。
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