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CANTO LIVRE DE NARA
ナラ・レオンの通算3枚目のアルバム。
ボサノヴァのミューズといわれているナラだけど1stアルバムからずっとアンチ・ボサノヴァ的立場のアルバムをつくっている。それなのに初来日時からモーホのサンバを歌っているにもかかわらずボサノヴァとして紹介され、バンドもボサノヴァ的に演奏をしていた。本人はずっと不満だったらしい。当時の日本ではボサノヴァとしてでなければ受け入れられなかったとおもう。
本作では、やや気負っていた前2作と比べてしっかりと作られている印象。一番大きいのはナラのボーカリストとしての技術が格段にあがっていることだとおもう。声量、リズム感が抜群によくなっている。
それにしてもブラジルの曲というのはすごく難しい。音もとりづらい。ロックを数十年歌っている知り合いにボサノヴァのボーカルを頼んだとき「このコードでこの音はだせない」と匙を投げられたことがある。
アルバム中で1曲だけカルロス・リラとヴィニシウスの曲をやっているのだけど、ボサノヴァ曲はやはり美しい。誰がなんといおうが名曲は名曲である。歌詞の日本語訳をみるとその曲だけ異常に浮いていることがわかる。他の曲は貧困や死、抑圧などの苦しい現実をテーマにしているものばかりだから。「意味のない歌詞にうんざり」という気持ちがわからなくもないな・・・。しかし「意味のない歌詞」なんていったら、今のJ-POPのほぼすべてが否定されるわなあw
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