先日の「題名のない音楽会」では、聞いたことのない和楽器ユニットを特集していた。日本の伝統楽器とはいえ通常は共演することのない楽器を合わせているそうだ。数名のメンバーは皆若々しい美男美女、スタイリッシュなダークスーツや衣装を着こなし(全員洋装ね)ばっちり決めているけど、全員○○流師範とか何とかいう肩書きを持つ実力者のようだった。海外での演奏機会も多いらしく、ご本人たちも和楽器の魅力を世界へ発信するという志があるようだ。
しかしねえ、結局は既知の音楽を和楽器アレンジでやっただけという印象なんだよね。オリジナル曲もあるにはあるけど、平々凡々どこにでもありそうな曲構成。和楽器の独特な音色というだけで初めて聴く外国人は珍しがるだろうが、おいらはそういうのはちょっと食傷気味。そういう人やグループ、他にもいっぱいいるでしょ。
なんというか、現在世界を席巻している西洋音楽やポピュラーミュージックとは全く別の「日本音楽の独自の方法論」を発展、あるいは他と融合させて、新しい音楽を創り出す人は出てこないものかね。前例がないわけじゃないんだよね。現代音楽の世界ではしばしばそういう作品が発表されるのかな。武満徹の有名な琵琶、尺八とオーケストラのための作品。
武満徹「ノヴェンバー・ステップス」
70年代には尺八奏者の山本邦山がフリージャズの人たちと共演してたけど、リズムやビートから自由なフリーだからこそ邦楽独特の「間」を表現できるのかも。
山本邦山,
佐藤允彦, 富樫雅彦「無限の譜」
「銀界」もすばらしかった。
でもねえ、日本の伝統音楽の神髄を現代のポピュラー音楽として再構築するなんてハードル高すぎるよなあ。大多数の現代日本人の日常には伝統音楽なんてないわけだし。
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