おそろしいほど、悲しくなるほど、笑っちゃうほどボサノヴァとはかけ離れた音楽である。これを初めて聴く人がボサノヴァを誤解したらどうしてくれるのだろう。もっとも、なんでもかんでもアメリカナイズしなければ異文化を受け入れることができない国だから、しょうがないのかもしれないね。アメリカナイズできないものは最初から受け入れないところがある。アストラッドも英語で歌ったし、音楽に限らず料理でも他の文化でも同様。
まあとにかく、少なくともボサノヴァでは決してない。
スルド的なバスドラやフォホーのようなトライアングル、どちらかというと純粋なサンバに近いんだけど、ジャズドラマーがなんとかの一つ覚えのように叩くサンバというべきか。にぎやかで、カウベルが鳴りそうな。あんな感じ。でもそれはまだいい。スリーツーのクラーベが鳴る中、ひたすらオフで叩くスネアを聴いてると、さすがにこりゃねえよなあと思ってしまう。ははは。「君住む街角」なんか、始まった瞬間愕然とするから、ある意味すごく驚かせてくれるアルバムだw
ただ、音楽として悪いわけではない。ゴージャスなクインシーのアレンジを聴いていると、さすがエンタメの国だなあと思う。あくまでもボサノヴァでなく、そういう観点で聴いてほしいアルバムだね。
アマゾンのレビューでは評価が高いけど、ビッグバンドファンやブラバン好きの人のコメントが多数なのかなあ。どっちが正しいとは言わないけど、ボサノヴァ原理主義者は文句をつけないどころか見向きもしないだろう。
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