RON
CARTER “STARDUST”
知人のEくんはロン・カーター信奉者だ。「みんなロンの文句をいっているがいったいどこが気に入らないんだ?テクニックに走ってリスナーをうんざりさせるベーシストのアルバムよりよほど落ち着いて聴くことができる」と真顔でいう。
ロンの何がわるいかを一言でいうと「うざいから」だろう(ほかにもあるけどw)。このアルバムの2曲目”THE
MAN I LOVE”を聴けばいかにうざいかがわかる。はっきりいってジャマであるw 2001年録音でロンのアルバムにしては全体的におとなしいサウンドではあるが、ブルース・イン・ザ・クローゼットのような簡単なリフのときはユニゾンするとか(ドヤ顔してるだろ、絶対!)、あいかわらず仕込んできた感があふれているソロとか、ジャズをよく知らない人には「さすがベースの王者」とか思わせる演出だ。
最後にすごくシンプルなピアノ伴奏だけで、ベースリフでスターダストをやっている。これがきつい。必殺ポルタメントも炸裂している。エンディングは低音でよくわからんカデンツァ。ものすごい「音程外れてます感」をだして強引におわる。さすが王者だけある。
ライナーは寺島靖国氏。原稿料に負けたのかロンをほめている。ベニー・ゴルソン参加がよいといっているが、ここでのゴルソンはおいらには衰えているようにしか聞こえない。ていうか、寺島氏はゴルソンを大嫌いなはずだ。「ベン・ウェブスターの悪いところだけを引き継いだ」と、言い得て妙の評価をしていたはずなのに、どうした?やはり原稿料ゆえか。
レニー・ホワイトを「ジャズの人ではない」と片付けているが、レニーがマイルスに8ビートを無理やり叩かされる前はコテコテの4ビート至上主義者だったことをしらないのだろう。
アルバム全体はピアノトリオ+テナーサックス+ヴィブラフォンでおしゃれな雰囲気だ。ゴリゴリの曲もないし速い曲もない。ジャズ知らない人に向けていると感じたね。それにしてもこれがスイングジャーナルのゴールドディスクというのだからねえ・・・。だからスイングジャーナルは廃刊となった、と思える多くのアルバムのうちの1枚。
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