見栄っ張りの友人Y氏(ギター)は、やたらと他人の評価が気になるらしい。とにかく演奏するときに格好つけたがるのがイタい。
セッションのときにうまくいかないと、「最近、弦変えたんだよね」とか「弦高変えたんだよね」とかいって、道具のせいにする。そこまではまだいい。
おいらに「弁村くん、きみのギター貸してよ」と言ってくるので、貸してあげる。すると、いきなりチューニングを始めるのだ。おいらのギターのチューニングは基本的には常に問題ないのだが。
ところが、ピアノの音をならすでもなく、何もないまっさらな状態で、スタンドアロンでペグを回し始めるだけ。絶対音感があるわけでもないから、一体何に合わせているのだろう、と思う。弦と弦を合わせるようなこともしないし。
案の定、そのあとの演奏はなんだかおかしな音程になってしまう。Y氏がこれをやるのは、周囲の人に対する「オレってすごいだろ」というアピールと、その場にいるギタリスト(このときはおいら)に対するマウンティングである、と、仲間内ではそう結論づけられている。
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