2016年11月28日月曜日

Point of view

ポイント・オブ・ヴュー



おいらがスパイロの中で一番好きなのはこのアルバムかもしれない。ファーストも捨てがたいんだけど。
1曲目のSlow Burnは都会的なサウンドで、90年代のジャズを聴いてきた人にとってはかなり気に入るナンバーだと思う。まだスムースジャズなどという手応えのない音楽が生まれる前だ。マリンバの音が相変わらずフュージョンサウンドにマッチしすぎ。そして2曲目はあのSwing Street。はい、ジャズ・フロム・ザ・シティですね。聴くたびにあの頃、「今のジャズフェスは酒屋とタバコ屋がいなけりゃ」と言われた時代がよみがえってくる。とにかくスインギー。キャッチーなメロディがあるわけでもないのに名曲だねえ。ノリがいいからなのだろう。

割といいトム・シューマンらしくない3曲目の次に、スパイロ史上最高傑作とも言われる名曲The Unknown Soldierが来る。これはねえ、おいらは勝手に「名もなき戦士」と訳して(あながち間違いじゃないでしょ)、つらいときにはこの曲を聴いてましたよw ビジネスマンとか人知れず何かと戦っている人全員のテーマ曲だと思う。コンセプトはファンモンのヒーローみたいなもんか。いやいやこっちの方が320年以上古いけど。

CD追加曲のNo Limitsがアルバムの真ん中に入っているのが気にいらないんだけど、このクオリティ、なぜこれがレコードからもれたのか理解できない。これよりダメな曲もあるんだけど、メンバーみんなの曲をできるだけ入れようとしたからなんだろうけどね。16ビートでスラップベースがかっこ良くキマる、というとおそらく受け付けない人もいるでしょうけど。

サミュエルズのRiver Walkはのんびりとしながらも壮大で、どこかの川の風景が浮かんでくる曲。後半も佳曲が続く・・・といいたいところだけど、Swamp Thingはダメですな。いつのころからかジェレミー・ウォールの曲は手抜きが多くなってきているような気がする。ファースト、セカンドアルバムの頃はすごかったのに。それを知っているだけにここでのSwamp Thingとかは残念なんだよなあ。次のCounterpointもかっこいいんだからさ、2曲とも力を入れてくれ~

この頃のスパイロは若さがあって干からびていないし勢いがあった。このアルバムをピークにあとは惰性と手探りそして衰えを言い訳にしたスムースジャズ路線へとつながっていく。



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