エリントン楽曲の謎
ジャズの楽譜集を手にしたことがある人なら必ず抱く疑問。エリントンの楽曲が、実際の演奏と違い過ぎる件。
いえね、A列車はいいのよ。そういう「例外」もある。しかし、I got it badはどうなんだ?ホッジスの演奏があまりにも違い過ぎる。
そう、確かにあれはホッジスがそう解釈して吹いた、というだけだ。しかし言いたいのはそういうことではない。誰が楽譜集のような符割で採譜したのかということだ。同じことは有名曲であるセンチメンタルムードやソフィスティケイテッド・レディでも言える。
一番顕著なのが、「スイングしなけりゃ意味がない」だ。エリントンのバージョンというと、まずあの3声コーラスのやつだよね。何あれ?メロディも全然違うでしょ。それがどうしておいらたちが普段聴くあのメロディになっちゃうの?
録音とは関係なく、「元の楽譜」というものがあって、それが楽団から流出ということか。それなら納得できないこともない。しかし50年代から他のミュージシャンも演奏しているからなあ、そのころからすでに流出しているということか。
さらに謎なのは、「スイング~」はおそらくあれが初演、どうしてあの曲をご本人さまがあんなかっこわるいメロディに変更して録音したのだろうか。悲しみの中で作曲したはずのセンチメンタルムードをあんな能天気なアレンジにしたのだろうか。
エリントン楽団の演奏は謎だらけだ。
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