THE
OSCAR PETERSON TRIO PLAYS
オスカー・ピーターソン・トリオだと真っ先にあげられるのが「プリーズ・リクエスト」だよね。録音がいいという評判もある。いわゆるザ・トリオはどれもこれも名演揃いだが、それはアレンジの秀逸さというか、曲の解釈のセンスが理由の一つだとおもう。有名な「酒とバラの日々」をよく考えてみると、さらっと聴かせてはいるけどあんな解釈はとうていおもいつかない。
このアルバムでもそういったセンスのよいアレンジ、解釈が目白押しで、特にいまやスタンダード中のスタンダードともいえる「FLY ME TO THE MOON」は完全に別次元の演奏。こちらの考えを数段上回っている。おそらく他のプレイヤーが同じことをするとイマイチ入り込めないこねくりまわしたように聴こえるのだろうが、彼らの演奏は奇をてらったようにまったく聴こえない。はっきりいって、手あかがついたようなこの有名スタンダードが、どうしてこんなにかっこよくなるのかまったく理解できない。イントロは死ぬほどかっこいいけどよく聴くとオリジナルテーマのメロディのフェイクなんですよ・・・もしかしてこのイントロ、即興かヘッドアレンジじゃないの?だとしたら、もう彼らは人間じゃないw 評論家の本多俊夫さんも、ザ・トリオのあるアルバムの解説で「この程度のアレンジは彼らならヘッドアレンジで済ましているのでしょう」などと書いていて「おいおい、これがそのレベルか?」と思った記憶がある。どのアルバムのどの曲だったかな、忘れてしまった。ウエストサイドだったような気がする。
このアルバムに話を戻すと、すごいのはピーターソンだけでない。レイ・ブラウンがものすごくよい。おいらの知り合いベーシストが「一生かかってもレイ・ブラウンのようなセンスは身につかない」といっていたがホントそのとおりだとおもうくらいかっこいい。ブラウンと同じような演奏をすると普通ならジャマにしかならないのだけど、ザ・トリオでは全員がお互いを理解しているからバッチリとはまる。あと、このアルバムは録音もすごくよい。1曲目のベースにいきなりKOされる。とにかく聴いてみてください。「Shiny
stockings」は、ベイシーの方しか聴いたことがない人には衝撃かもね。
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