2015年2月20日金曜日
書評「アメリカ音楽史」
タイトルでわかるように、ジャズだけに限定した本ではない。手軽に読める文体ではないけど、ジャズを核としたアメリカ音楽の歴史がわかる。
当然だけど、「え~考えすぎでしょ」とか「おいらとはまったく考えが違う」という部分もあるけど、トータルでおもしろく、読んでみるべき本だね。
ただし、ビバップの革新性というところはケニー・クラークのドラムが革新的になったから、ということしか書いておらず、音楽理論的なパーカーのすごさにはまったく触れていない。もしビバップを知らないひとがこれを読んだら、「なんだ、ビバップってすごい革命だったといわれてるけど、この程度なの」と思うかも。ケニー・クラークのドラムの変化もパーカーたちのフレーズの革新性がきっかけになっているともいえる。ついでに、どうしてビバップが生まれたのかということについても新しい説を唱えている。もっともここで書かれていることも確かにあったと思うけど、それだけではないと思う。
それから、マイルスのモード導入に新しい意味を持たせていて、それはそれでおもしろい意見だけど、結果的にそうだっただけでありマイルスが最初から狙っていたわけではないと思う。何のことをいっているのかは、読んで確認してみてください。
しかしね、 おいらたちも日本でJASRACに対していろいろ不満があったりするけど、アメリカのASCAPの歴史が書かれていて、これがまたより一層ひどいんだわ。そのあたりを読むのもおもしろいかもね。
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