80年代後半から90年代初頭の日本では、ケニー・ドリューが、ヨーロッパ的で、ロマン派で、気品がある、みたいな売られ方をしていた。発売されるアルバムのジャケットはすべておしゃれな貴婦人のイラストみたいなやつ。わかるでしょ、アルファジャズがそういう売り方をしていたよね。
さて、彼はそういったことを意識して演奏していたのだろうか?おいらは断じてちがうとおもう。たしかに音がクリアなペデルセンを擁したトリオでスタンダード中心に演奏していたけれど(これがまた、いいオーディオで聴くと最高にすばらしい)、ビバップの頃から彼は一貫して自分にとってのジャズというものをもっていて、スタイルが少し変わった晩年になっても芯はぶれていなかったおもう。難解なことをしないスタイルにバブル期の日本のレコード会社が目をつけてああいう売り方をしただけだ。
ピーターソンと同じく、どんな曲でも粋なアレンジで器用になんでもできることが災いしたのか、軽くみられることがあるのが残念。
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