2016年7月2日土曜日

PAULO MOURA “MISTURA E MANDA”




クラリネット奏者としてのイメージが強いパウロ・モウラだけど、70年代はサックスでの客演が多かった。自身のアルバムでも1曲くらいはたいていサックスを演奏している。ジャズでクラリネットがでてくるとベニー・グッドマンなどのイメージが強いためスイング時代の雰囲気がでることが多い。エディ・ダニエルズによるGRPでの録音はそういった古いイメージをくつがえした成功例だ。パウロ・モウラはクラリネットでも新しい印象をあたえる音楽をつくってきた。多作ではないが彼のアルバムからは常に新鮮なクラリネット音楽がきこえる。

Mistura E Manda 
PAULO MOURA “MISTURA E MANDA”

このアルバムは80年代の作品だけど、いろいろと野心的・革新的な内容。一番の聴きどころはNUNCAという曲。クラリネットではなくサックスを演奏。単純な構成だけど大変すばらしい感動的な曲だとおもう。ここでの打楽器は”caixa de Fósforo”だけ。サンバにくわしいひとならわかるだろうけどマッチ箱のこと。マッチ箱を叩く音が曲想とマッチして感涙ものです。さらに、ジャケットにも書いてあるけど天才ギタリスト、ハファエル・ハベーロが全編にわたってフィーチャーされている。夭折であるため伝説的にとらえられているハファエルだけど、冷静に聴くと駄作といえるものもある。しかしここでの彼の演奏はまさしく天才であるといえる本領発揮したもの。全ギタリスト必聴。



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