ジャズのマンガではないが作者がジャズを知っているらしいマンガがときどきある。音楽マンガの金字塔である「ＢＥＣＫ」の作者ハロルド作石の作品でもいくつか（ユニークな形で）ジャズを匂わせている。「美味しんぼ」でもＭＪＱやマッセイホールが登場したことがあるよね。「シャコタン・ブギ」「湾岸ＭＩＤＮＩＧＨＴ」の楠みちはるも作品にときどきジャズが登場する。現在ビッグコミック・オリジナルに連載中の「特別のＥＧＯＩＳＴ」でこんなシーンがあった。
売れっ子作家が女性をある店に連れて行く。そこはジャズを流す店でコーヒーしか出さない。アルコールはなし。私語厳禁ではないけど、ほとんど初期のジャズ喫茶だ。まあいい、そこはつっこまない。その作家はマスターに「女性同伴だからビル・エヴァンスでもかけてよ」という。女＝ビル・エヴァンス、という寺島靖国氏がつっこみたくなるような行動。まあこれもあえてなにもいわんでおこう。リクエストを受けたマスターが再生したＣＤのケースを作家のテーブルにもってくる（レコードジャケットを立てるわけではない）。それがビル・エヴァンスの「トリオ‘６５」。なんでやねん！ここはつっこみたいぞ！調子の波が激しかったヴァーヴ時代の、いちばん毒にも薬にもならない平均アルバムじゃねえか！どうせヴァーヴなら「エムパシー」とか「シンプル・マター」のほうが！・・・・ダメだよなあ・・。
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