ジャズ・ボーカルはあまり聴かないので詳しくないが、フィル・ペリーの登場はよく覚えている。90年代半ばのマウント・フジでリー・リトナーが来た時にペリーもメンバーとして来日していた。リトナーの最新アルバム「ウェス・バウンド」で1曲だけ参加、しかもコーラス隊のうちのひとりという目立たなさだったので、ペリーのことを知っている人は観客のなかでもかなり少なかったとおもう。
彼がステージにでてきたときも「ギター聴きたいのにボーカルかよ」みたいな空気があり観客席はだれた雰囲気であった。しかし最初の発声の瞬間ガラッとその空気がかわったのだ。ノックアウトという言葉がまさに最適だったとおもう。完全に主役であった。
ステージがおわって休憩時間になると、CD販売ブースに長蛇の列ができた。みんなお目当てはペリーのCD。残念ながら前述したとおりリトナーのアルバムでのチョイ役しかない。「フィル・ペリーのCDないの!?」と詰め寄る客に販売担当者が「ここに入っているのだけです」といってそのリトナーのCDを見せていたのを横目で見ながら「家に帰ってから聴いて『だまされた』とおもうんだろうな~」とおいらはおもったのでした。
それから数年たってやっとペリーのリーダー作が発売されたんだけどそのころは興奮がすでに去っていた感があり、商機を逸するというのはこういうことだなと感じました。
え、ブログタイトルからおいらが本人と会った話だと思った?いえいえまさかそんな。
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