2018年6月9日土曜日

フュージョンの多様性

以前にも言ったことだけど、フュージョンは真の意味で「何でもあり」となった時代のジャズだと思う。フリー?いやいや、フリーは何でもありではない。フリーは、
「フリーでなければならない」
「キャッチーであってはならない」
「小難しくなければならない」
などの制約があった。実質的にね。だから、フリーミュージシャンによる他のミュージシャンに対する「あんなナンパなことやりやがって」という批判もあっただろう。
しかし、フュージョンをそれを許容した。やっぱロックってかっこいいよね、ああいうのやろうよ。でも俺たちジャズミュージシャンだよ。だからどうした。問題ないだろう。
という感じだ。

フュージョンの多様性はすごい。
マイルスだけでもオン・ザ・コーナーとビッチェズが全然違う。マクラフリンは、マハビシュヌオーケストラではフュージョンの中でも最もロックなサウンドをやっているが、同時に単なるインド音楽(誉め言葉です)のシャクティなんかをやっている。
チックはブラジルサウンドの第1期RTFとロックサウンドの第2期RTFをやって、完全アコースティックの浪漫の騎士なんか録音しちゃうし、何よりバートンとの、ピアノとヴァイヴのデュオという編成自体が、もう何でもあり状態だ。
ロック方面だけでなく、ベンソン先生のマスカレードは、もうあれはポップスだろ。それからジャンル分け不可能なジャコのサウンドなど、ホントに多様すぎる。とことんポップに攻めたスパイロも個性的。おっと忘れてた、ハービーのファンクもかなりのものだろう。ほかにもR&B路線とかボサノヴァに+αしたサウンドとか、フュージョン時代はすべてを許容した。

しかし何よりすごいのが、ジャズファンだ。これらのどれを聴いても「あ、ジャズだ」と思ってしまうのだ。実際、ハービーの「モンスター」とか聴いても「ああ、確かにジャズのサウンドだよね」と思えてしまうのはすごい。ジャズファンは頭がおかしいのではないかと思うw





↓よろしければ投票してください!

音楽(ジャズ) ブログランキング